マルチリンガルの頭の中:別の言語に当てはめて理解する?!

2020年3月9日月曜日

なんちゃってマルチリンガル 海外生活 勉強全般

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世の中には、高い語学力を持つマルチリンガルが存在します。
一方、方々の足元にも及ばない、なんちゃってマルチリンガルの私
ある日、ベトナム語での新しい言い回しを習ったのですが
自分では意味が分かるのに、それを日本語で説明できないことがありました。
結局、日本語で意味を知らなかっただけなのですが(笑)

今回、複数言語が混在する頭の中を、少し、紹介していきます。
(※日本では「多言語話者」をマルチリンガルと言いますが、海外ではポリグロットと呼ぶそうです。)

マルチリンガルとは

バイリンガル=英語と日本語など、2ヵ国語が話せる
トリリンガル=3か国語が話せる
マルチリンガル=それ以上の複数言語が話せる

と、日本では「話せる人」と認識されているようなので
本ブログではそれに乗っ取って・・・
なんとなーく複数言語が頭に入ってる私を「なんちゃってマルチリンガル」とします!

本来、「話せる」だけでなく「読み」「書き」「リスニング」において
高いレベルで複数言語を操る人をマルチリンガルと呼び、
「話すこと」にフォーカスした人をポリグロットと呼ぶそうです。

なんちゃってマルチリンガルは何語ができるの?

母国語の日本語、第二外国語の英語、タイ語、インドネシア語、マレー語、ベトナム語、
タイ語と似ているラオス語もすぐに習得できるのでは?と勝手に思ってます(笑)

もちろん、全部同じレベルでペラペラ話せるなんて夢のようなことは な く
日本語以外のレベルは低いのでそのあたりご了承ください。

実力はこんな感じ
日本語>>永遠の壁>>>>英語>>>>タイ語>>>>>厚い壁>>>>>>インドネシア語>>>マレー語>>>>>越えられない壁>>>>>>>ベトナム語

学生時代、英語で講義受けて単位とってた時期もあったし、
タイ留学中は複数人での会話もできる、テレビ見ても分かる、読み書きできるだったけど
どちらも過去の栄光ですw 

日本語以外で理解しようとする時がある!?

ベトナム在住ということで、ベトナム語クラスに通っており
先生は、英語かベトナム語を使って授業を進めていきます。

基本的には日本語が使われない環境の中、
英語が得意でない日本人クラスメートがいた時期がありました。
授業中、日本語に訳したり、分かりやすく説明しているうちに・・・
「あれ、うまく日本語で言えない」が次から次へと出てくる事態に。
ピッタリ合う日本語を探すのに時間がかかるという理由もありますが、
その時、もう1つ面白いことに気づきました。
「今!タイ語で理解してる!」「英語で理解してる!」ということ。

例:「行動を起こす準備が完了した状態」


ここで1つ例を挙げると
「もう行くよ」「今行くところ」などの
”すでに行動を起こす準備が完了した状態でまだ行動していない”表現。
日本語表現では、未来のことなので過去形は使わないし
英語も同じく過去形になりません。


このエピソードの前提知識になるので、もう少し細かく説明しますね。
これはsắp ~ rồiをカタマリで覚える必要があるのですが
単語をバラバラにして理解すると、過去形と未来形がまざりあった文になるんです。
--------------------------------
sắp =すぐに、まもなく (soon) ⇒未来
rồi =すでに(already) ⇒過去
--------------------------------

頭の中でどう理解したのか?

この時の私の頭の中はこうです。
1.sắp ~ rồiは近い未来を表す、でもそれぞれは未来形と過去形なので混乱
2.何個か例文と英語での説明を聞くうちに、タイ語に似た表現がある!と結びつく
3.タイ語の(กำลัง)จะ~แล้วという、
  未来形+過去形で近い未来の言いまわしと仮定して例文を作って確認してもらう
4.同じ意味合いだと分かり、意味の理解に至った

お気づきでしょうか・・・?
理解するプロセスに日本語がないことに。

------------------補足-----------------------
(กำลัง)จะ=~するところ
  余談:これは更に細かく กำลัง=~している、จะ=~するつもり からきてる
~แล้ว=すでに(already)
----------------------------------------------

日本語に変換するために何をしたか

実は、タイ語のこの表現を覚えた時、日本語で覚えなかったんです。
自然にタイ語でタイ語を理解して身に付けたので・・・
該当する日本語が頭の中を探しても見つからない「検索結果0」状態。

遠い未来のことではなく数秒先かもしれないし明日かもしれない
近い未来に「もう~する」という、ニュアンス!
を伝える日本語が分からない。。。


帰宅後、Google先生「sắp ~ rồi 意味」を聞きました。
夢を壊すようですが、インターネットは偉大です。

そこでようやく、
「もう行く」「行くところ」など
すでに行動を起こす準備が完了した状態” と日本語での説明の仕方を知り

頭の検索結果が1に増え、やっと説明できるようになりました!

タイ語とベトナム語は違う言語

少しタイ語とベトナム語の根本的な話をします。

「東南アジア言語」として文法的に似ている部分はありますが
タイ語を知っているからベトナム語が分かることは100%ありえないです。
(耳障りが似ているので、時々言われることがある・・・)

ポルトガル語とスペイン語、インドネシア語とマレー語のように
なんとなく理解できるレベルではなく
単語レベルで共通点を探すも、本当に悲しくなる程に見つからず
タイ語とインドネシア語という仏教国とイスラム教国の言語の方が
同じインド影響下だったため、共通単語が見つけやすいくらい!(伝わるでしょうか?笑)

※以前はタイ語もオーストロアジア語族に含まれていましたが、
最近では独立してしたタイ・カダイ語族とするのが通説のようです

タイ語:タイ・カダイ語族 カム・タイ語派
    インドの影響を受けている、サンスクリット語・パーリ語からの借用語
    ラオス語と起源が同じとされている

ベトナム語:オーストロアジア語族 モン・クメール語派
      (タイ・カダイ語族の影響を受けて変化したとも言われている)
      中国の影響を受けている、フランス語からの借用語
      クメール語(カンボジア)と同語派    

ではなぜ繋がって理解したのか?
私なりに考えてみました。
  頭の中が日本語での理解にこだわっていない
  新しい言語を理解するのに日本語で理解する必要がなく
  マッチングしたのがたまたまタイ語だった

「言語を理解する」過程で、自分が知っている言語に同じ事象がないか?
「英語なら?」「タイ語なら?」「インドネシア語なら?」と訳してみることで
近しいものがあるのでは?共通点があるのでは?と探した結果、
たまたまヒットしたのがタイ語だったということです。

留学しないで「英語の頭」をつくる方法
齋藤 兼司 (著)
出版社: KADOKAWA (2014/3/22)

最後に

今思うと、タイ語でタイ語を自然に覚えてる自分に驚きですが(笑)
「頭の中どうなってるの?」と聞かれたり
「だからそれ日本語で何?」と言われたり(本人は至って真面目に出てこない!)
したことがきっかけで、「確かになんでだろう?」と
頭の中にある日本語とリンクしない言葉、日本語を介していない理解について
自分の思考を観察してみる、面白い機会になりました。

二か国語以上話す方、「今何語で理解した?」「どうやって理解した?」
面白いので、観察してみてください^^

QooQ